子犬が突然しゃっくりし始めたら、おどろいてしまいますよね。犬のしゃっくりは、人間と同じ横隔膜のけいれんによるものです。時間が経てばすぐにおさまる場合と、病気が潜んでいる場合があります。
今回は、子犬のしゃっくりの原因と対処法について詳しく解説します。しゃっくりを予防する方法まで紹介するので、愛犬のしゃっくりで不安になっている飼い主さんはぜひ参考にしてくださいね。
子犬がしゃっくりする原因
子犬のしゃっくりは、人間と同じように横隔膜のけいれんによるものとされています。横隔膜のけいれんがなぜ起こるのかは医学的に解明されていませんが、横隔膜周辺の組織が刺激されることで起こると考えられています。
具体的な原因として挙げられるのは、早食いです。不安やストレス、病気がしゃっくりの原因となる場合もあります。
どう対処したらいいの? 犬のしゃっくりの止め方
犬のしゃっくりは、人間と同様に確実に止めることは困難です。しかし頻繁にしゃっくりをしている姿を見ると、心配でなるべく早く止めてあげたいですよね。以下では、愛犬にしゃっくりが出たときの止め方について紹介します。
なでたり抱っこしたりして落ち着かせる
まずは愛犬をなでたり抱っこしたりして、落ち着かせてあげましょう。落ち着くことで自然としゃっくりがおさまるケースがあります。
なでたり抱っこしたりする場合は、飼い主さんも呼吸を整えて落ち着くことが大切です。飼い主さんがパニックになってしまうと、愛犬にも伝わってしまうかもしれません。深呼吸をしながら、のどやお腹をやさしくなでてあげましょう。
数秒だけ息を止めさせる
なかなか落ち着かない場合は、数秒間だけ息を止めさせる方法を試してみてください。人間のしゃっくりに対するものと同じ対処法です。
やさしく愛犬の口のまわりから鼻先にかけての部分を握り、反対の手で鼻の穴をふさぎます。嫌がるそぶりを見せたら、すぐに辞めてあげましょう。愛犬が抵抗しない場合は、何度か息を止める方法を繰り返すと、しゃっくりがおさまる可能性があります。
水を飲ませる
人間のように、ゆっくり水を飲ませることでしゃっくりが止まる可能性がありますが、犬にはなかなか難しいかもしれません。ただの水では飲んでくれない可能性が高いため、愛犬の好きな飲み物を用意してあげるなど工夫が必要です。
また、飼い主さんの指を舐めさせる方法もおすすめです。おいしそうな匂いがするバターなどをつけると自然に舐めてくれます。飲んだり舐めたりする行動で、しゃっくりが止まる場合があります。
しゃっくりを忘れるような行動をさせる
しゃっくりが出たことでおどろいてしまい、焦ってしまう犬もいます。愛犬に外の空気を吸わせたり、「お手」や「ふせ」などの合図をさせたりして、しゃっくりが出ていることを忘れさせてあげましょう。気づいたころには、しゃっくりがおさまるケースもあります。
やさしくマッサージする
胃と肋骨の間にある「みぞおち」部分を、やさしくマッサージしてあげましょう。みぞおち辺りに横隔膜があるため、マッサージすることでけいれんがおさまることがあります。マッサージするときは強くし過ぎず、あくまでもやさしくしてあげることがポイントです。
犬のしゃっくりを予防する方法
しゃっくりが頻繁に出たり、毎日出たりしていると心配になりますよね。上でも述べた通り、しゃっくりは主に、早食いや不安・ストレスが要因であると考えられます。以下では、原因別にしゃっくりの効果的な予防法を紹介します。
早食いが原因の場合
愛犬が早食いしがちだと感じる場合は、早食い防止用の食器を使用してみましょう。凹凸がある食器や、ゆらゆら揺れるボール型の食器などが販売されています。
一度に与えるごはんの量を減らし、与える回数を増やす方法もおすすめです。こまめにごはんを与えることで空腹感を減らして、がっついてしまうことを防ぎます。ドライフードを与えている場合は、ふやかしてあげるだけでも満足感を与えやすくなります。
また食器ではなく、飼い主さんの手からごはんをあげる方法も試してみましょう。適量を取って少しずつ与えることで、食べる量のコントロールが可能です。愛犬とコミュニケーションが取れるというメリットもあります。
不安・ストレスが原因の場合
愛犬が不安な気持ちになるとしゃっくりが出るという場合は、どんなシチュエーションだとしゃっくりが出るのかを観察します。不安なときはそばにいてスキンシップを図るなど、なるべく不安の原因を取り除いてあげることが大切です。
また愛犬のストレスを発散するために、散歩の時間や回数を増やしてみましょう。一例として、小型犬なら1回15~30分程度で1日1~2回、中型犬は1回30〜45分程度で1日1〜2回、大型犬は1時間程度の散歩を1日2回が目安です。
さらに今は、噛むことでストレスが軽減されるおやつといった、手軽に取り入れられるアイテムが販売されています。不安やストレスを取り除くことで、愛犬のしゃっくりが減るかもしれません。
病気が原因のしゃっくり
犬のしゃっくりは、病気が原因の場合もあります。しゃっくりが毎日止まらない、けいれんなど他の症状が出ているときは、動物病院で診察してもらいましょう。以下では、しゃっくりの原因として考えられる病気を紹介します。
呼吸器系の病気
誤飲したものが食道や消化器に詰まってしまうことで、しゃっくりが出るケースも少なくありません。また気管支炎や肺炎、喘息などの炎症をともなった、胸腔内の病気が原因となる場合があります。
消化器官の病気
消化器官の病気として考えられるのは、胃炎や胃拡張・胃捻転症候群などです。嘔吐や胃が膨張するといった変化によって横隔膜が刺激され、しゃっくりが出ます。
胃拡張・胃捻転症候群は、よだれがたえず出て苦しそうで、吐きたくても吐けなくなる症状です。最悪の場合は死に至る病気なので、異変に気づいたらすぐ動物病院へ連れていきましょう。
心臓の病気
心膜炎や心タンポナーデ、心臓腫瘍などの心臓の病気によって心臓が大きくなることで、横隔膜を刺激し、しゃっくりを引き起こす場合があります。しゃっくりとあわせて食欲不振や動きが悪くなるといった症状が現れたら、心臓の病気かもしれません。
脳の病気
脳の病気のてんかん発作が起こった場合、症状としてしゃっくりが出ることがあります。しゃっくりの他に、よだれがたくさん出る、けいれんなどの症状が見られたらてんかん発作を疑いましょう。
しゃっくりと勘違いしやすい?逆くしゃみと吐き気
犬のしゃっくりと似たような症状として、逆くしゃみと吐き気があります。場合によっては動物病院に行くべきなので、しっかりと見極めましょう。
逆くしゃみ
犬の逆くしゃみとは、通常鼻から外に息を出してするくしゃみを、息を吸い込みながらするくしゃみのことです。原因ははっきりしていませんが、アレルギーや鼻の奥の筋肉のたるみ、鼻孔のせまさなどが関係しているといわれています。
逆くしゃみは短頭種の犬や小型犬によく見られ、数秒で止まるケースがほとんどです。ただし、老犬で逆くしゃみの症状が出た場合は、のどや鼻に異常があるかもしれません。念のため動物病院で診察してもらうと安心です。
吐き気
犬が吐き気を催すと、腹筋を数回収縮させる動きが見られます。この動きがしゃっくりと似ており、間違えることがあるようです。
嘔吐しなくても吐き気を催している場合は、何らかの病気や体調不良が疑われます。しゃっくりのように時間が経ってもおさまらない場合は、獣医さんに相談しましょう。
まとめ
子犬も人間と同じようにしゃっくりをします。初めはおどろいてしまうかもしれませんが、落ち着いて愛犬をなでたり抱っこしてあげたりしましょう。
愛犬が嫌がらなければ、数秒間息を止める方法もおすすめです。そのほか水を飲む、指を舐めるといった行動でしゃっくりが止まるケースがあります。
しゃっくりの原因として主に考えられるのは、早食いや不安・ストレス、病気などです。病気を患っている場合は、しゃっくり以外にも食欲不振や、よだれが止まらないといった症状が見られます。愛犬の様子がおかしいと感じたら、すぐに動物病院で診察してもらいましょう。