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【診断ツール付】犬が飼い主を信頼している行動9つと絆を深める方法

犬が飼い主を信頼している行動9つ

「犬が飼い主を信頼している行動とは?」
「自分は愛犬に信頼されているのだろうか?」

そう思っていませんか?犬は言葉を話せない分、気持ちが全面的に行動に表れます。そのため、犬が飼い主を信頼しているかどうかは犬の行動で判断することができるのです。

犬が飼い主を信頼している行動と信頼していない場合に見せる行動は、主に次の通りです。

 

飼い主を”信頼している”行動 飼い主を”信頼していない”行動

・お腹を見せる
・顔を舐める
・笑顔で見つめる
・しっぽを振る
・体をじっと触らせる
・飼い主の側で寝たがる
・お尻をくっつけてくる
・夢中になって餌を食べる
・一匹でも落ち着いて過ごしている

・名前を呼んでも反応しない
・来客や通行人に過剰に吠える
・身体を触ると嫌がる
・唸り声をあげる
・甘噛みではなく噛み付く
・散歩の時にリードを引っ張るように飼い主の前をどんどん進む

 

この表のように、犬が飼い主を信頼しているかどうかは犬の行動から判断することができます。

ただ、気をつけなければならないのが、「犬が飼い主を信頼している行動」をとっていたとしても、状況によっては必ずしも信頼されているわけではないということです。

犬の行動から気持ちを判断するには、たった一つの行動だけで決めつけず、その時の状況や、他の仕草も合わせて総合的に判断することが必要だからです。

もう少し具体的に言うと、例えば飼い主を信頼している行動の一つである「顔を舐める」という場合、口周りを舐めているなら信頼の証ですが、加えて「ワンワンっ!」と吠えてきたり、顔全体を強く舐め回すようであれば、餌を催促している可能性があります。

このように、実際に自分が愛犬に信頼されているかどうかは、その時の状況や他のサインも合わせて判断することが大切なのです。

そして、愛犬が「飼い主を信頼していない行動」をとっていて、「信頼関係が少し薄いのかも」と不安になってしまう人もいるでしょう。

ですが、心配しすぎる必要はありません。これから信頼関係を構築していけば良いことなので、次の「信頼関係を築くポイント」を参考に、愛犬との絆を深めていきましょう。

犬との信頼関係を築く方法6つ
・アイコンタクトをとる
・スキンシップをとる
・散歩にいく
・一緒に遊ぶ時間をとる
・厳しくしつけすぎない
・手作りご飯で愛情と楽しみをあげる

この記事では次のポイントについて解説していきます。

この記事のポイント
◎犬が飼い主を信頼している行動
◎犬が飼い主を信頼していない行動
◎【診断チャート】犬の信頼度をチェック!
◎犬が飼い主を信頼していない場合の原因
◎犬との信頼関係を築く方法

この記事を最後までお読みになると、犬が飼い主を信頼している行動と信頼されていない場合の行動について深く理解し、自分が愛犬に信頼されているかを判断することができるでしょう。

この記事があなたのお役に立てれば幸いです。

1.犬が飼い主を信頼している行動9つ

ラブラドールレトリーバーと笑顔の女の子

冒頭でもお話した通り、犬は人間と会話ができない分その行動から気持ちを図ることができます。そのため、犬が飼い主を信頼しているかどうかを知るためには、犬の行動をよく観察しておきましょう。

犬が飼い主を信頼している行動は9つあります。

犬が飼い主を信頼している行動9つ
①お腹を見せる
②飼い主の顔を舐める
③飼い主を見つめる
④尻尾を振る
⑤身体をじっと触らせてくれる
⑥飼い主の側で寝たがる
⑦お尻をくっつけてくる
⑧夢中になって餌を食べる
⑨一匹でも落ち着いている

この表からも分かるように、犬が飼い主を信頼している時に見られる行動は、小さいサインから目に見えて分かる行動までさまざまです。

それぞれの行動を頭に入れておき、日常から犬が飼い主を信頼している行動をとっているかを判断していきましょう。

それでは、犬が飼い主を信頼している行動について、1つ1つ詳しく説明していきます。

 

1-1.お腹を見せる

お腹をさすられるジャックラッセルテリア

犬が飼い主にお腹を見せてくるのは、飼い主を信頼している場合の行動の一つです。

その理由として、お腹は皮膚が柔らかく内蔵が集まっているため、動物にとっては急所です。攻撃されたら命に関わる部分なので、本能的に危険だと感じる相手や心を許していない相手にお腹を見せることはありません。

つまり、犬がお腹を見せてゴロンと仰向けに寝転ぶ、いわゆる「へそ天」は、飼い主を信頼している行動なのです。

加えて、飼い主の隣に来てお腹を見せてきたり、身体をくねくねさせているときは、「早くお腹を撫でて!」と甘えている状況でもあります。

犬がお腹を見せてきたときは、信頼されていることを感じ、たくさん撫でて甘えさせてあげましょう。

 

1-2.飼い主の顔を舐める

飼い主の顔を舐める犬

犬が飼い主の顔を舐める時、ほとんどが飼い主を信頼している際にとる行動だと言えます。

犬の先祖はオオカミで、群れで生活するオオカミは弱いものが強いもの口元を舐めて敬意を示していました。その名残が、飼い主を信頼している行動として「顔を舐める」という行動に現れているのです。

さらに、子犬は母犬に甘える際に、母犬の顔を舐めます。つまり、犬が飼い主の顔を舐めるのは、飼い主を信頼しているからこその行動だと言えるのです。

1点気をつけなければならないのは、最初に「ほとんど」とお話したように、飼い主の顔を舐める行動すべてが信頼の証ではないという点です。

状況によっては犬が不安を感じている場合や、何かを催促している場合もあることので注意しましょう。

もう少し具体的に言うと、

・直前に犬が不安になるようなことがあった
・尻尾が下がっている
・身体がこわばっている

というようなサインが同時に見られた場合は、犬が何かを不安に感じていることが考えられます。

また、いつも餌をあげている時間が過ぎている、口元を舐めながら吠えてくる、という場合は、餌を催促している可能性があります。

 

1-3.飼い主を見つめる

飼い主を見つめる犬

愛犬がじっと飼い主を見つめるときは、飼い主を信頼しているサインであることが多いです。飼い主への信頼を表している場合、見つめる行為自体の他にも次のようなサインが見られます。

・穏やかな表情
・口角をあげている
・瞳がうるうるしている
・目を細めている
・眠そうな顔

このような表情で見つめられたなら、犬はあなたのことをとても信頼しているサインです。飼い主であるあなたも、優しい表情で犬を見つめ返してあげましょう。

ただ、犬がじっと見つめる行為には信頼以外の意味もありますので注意が必要です。

信頼以外の意味とは、次の通りになります。

・何かを要求している
・敵意
・不安
・飼い主の行動を観察

犬が見つめてくる行動が信頼から来るのかそうでないかを判断するためには、犬の見つめる以外の行動も合わせて判断すると良いでしょう。

 

1-4.尻尾を振る

柴犬の尻尾

犬の気持ちは尻尾の動きに現れやすいため、尻尾の動きを観察すれば飼い主を信頼しているかどうかを判断することができます。

犬が飼い主を信頼している時の尻尾の振り方は、大きくゆっくりとした動きです。左右に大きくゆっくり尻尾を振るときは、相手への服従や好意を示しているため、飼い主を信頼しているからこそ生まれる行動だと言えます。

注意したいのが、尻尾を振っているからと言って、必ずしも飼い主を信頼している行動だと決めつけてはいけません。犬が尻尾を振るのには、信頼以外の意味もあるからです。

例えば、次の通りです。

・尻尾を激しく振る→興奮
・大きく尻尾を振っている→服従、好意
・尻尾が下がっているがゆっくり振っている→リラックスしている
・尻尾と腰をくねらせるように振っている→甘え
・尻尾の毛が逆立っていて、ゆっくり大きく振っている→警戒、怒り

このように、犬が尻尾を振るのにはさまざまな意味がありますが、飼い主を見つめながら大きくゆっくり尻尾を振っているのなら、飼い主を信頼している行動だと判断できるでしょう。

 

1-5.身体をじっと触らせてくれる

眠っているトイプードル

犬は動物ですので、外敵から身を守るという本能が備わっています。そのため、信頼できる人にしか自らの身体を触らせることはありません。

そのため、犬の身体を触っても嫌がらずにじっとしてくれているのなら、飼い主を信頼している行動だと捉えて良いでしょう。

特に、犬の鼻先、口元、肉球、腰は、制限されると身動きが取れなくなる部分なので、本能的に触られるのを嫌がる部分です。

犬が触らせてくれたら信頼の証

だからこそ、鼻先、口元、肉球、腰を触っても嫌がらない場合は、かなり強い信頼関係ができていると言えます。

 


1-6.飼い主の側で寝たがる

寝ているコッカースパニエル

犬が飼い主のそばに来て寝る場合、飼い主を信頼していて「この人のそばなら安心して眠れる」「この人のそばは快適」と考えているからだと言えます。

犬は元々群れで生活していた動物なので、不安を感じているときや安心感が欲しい時には信頼できる人のそばで落ち着きたいのです。

寝ているときは1日の中でも一番無防備になる時間帯なので、特に警戒心の強い性格の犬は信頼できる飼い主のそばに行きたがる傾向があります。

飼い主の膝の上で寝そべっていたり、飼い主に身体を預けて脱力して眠るような場合は、飼い主のそばが心地よく、快適なのでしょう。

 


1-7.お尻をくっつけてくる

飼い主とくっついて夕陽を眺める犬

犬が飼い主にお尻をくっつけてくるのは、信頼の証だと言えます。お尻をくっつけてくるというのは、つまり背中を見せるということになりますので、信頼できない相手にはしない行動だからです。

ただ、お尻をくっつけてくるのには他の意味もあり、お尻を飼い主に乗せてくる場合は少し判断に注意が必要です。

お尻を飼い主の上に乗せるというのは飼い主の上に座るということですが、その場合は

・自分(犬)より下の身分だと思っている
・支配している

という気持ちである可能性が高いからです。

犬がお尻をくっつけてきた場合に、その行動が信頼によるものなのかを判断するためには、お尻をくっつけてくる行動だけでなくそのほかの行動も合わせて総合的に判断することが大切です。

そのほかの行動とは、ここでお話している「飼い主を信頼している行動」のことです。例えば、普段からお腹を見せてくれたり、じっと飼い主を見つめてくる、身体を自由に触らせてくれる、という場合は信頼されていると考えて良いでしょう。

 


1-8.夢中になって餌を食べる

手作りご飯を食べるヨーキー

犬が脇目もふらず集中して餌を食べているのは、飼い主を信頼しているからこそとれる行動です。人間の場合に置き換えても同じことが言えますが、食事の席に今にも攻撃してきそうな人や警戒している人がいたら、落ち着いてご飯を食べれませんよね。

人間よりも警戒心が強い犬は、なおさら信頼できない人には敏感です。そのため、もし飼い主のことを信頼していなければ、餌を与えられても横目でチラチラと飼い主の行動を確認したり、飼い主がいなくなるまで餌を食べないという行動が見られます。

夢中になって餌を食べるというのは一見当たり前の光景に見えますが、実は飼い主と犬との強い信頼関係の元でなされる光景なのです。

 


1-9.一匹でも落ち着いている

安心して眠るパグ

犬が一匹でも落ち着いている様子は、飼い主を信頼している行動です。一匹でも落ち着いていられるのは、飼い主をリーダーとして信頼しているため、「この場所のことを任せられる」と思っているからです。

もし飼い主を信頼していなければ、飼い主がそばを離れると「次はどこで何をするんだ!」とついて回りますし、一匹で留守番させる際も「帰ってきてくれるのか」と不安になりソワソワしてしまいます。

つまり、一匹でも落ち着いて過ごせているのは犬が飼い主を信頼している行動だと言えるのです。

 

 

2.犬が飼い主を信頼していない行動6つ

こちらを見つめるオーストラリアンシェパードの子犬

先ほど、犬が飼い主を信頼している行動を9つ紹介しました。そこでも少し触れていますが、犬が飼い主を信頼しているかどうかを判断するためには、「飼い主を信頼している行動」だけでなく「信頼していない行動」についても知っておくことが必要です。

そこで次は、犬が飼い主を信頼していない行動について説明していきましょう。

犬が飼い主を信頼していない場合に見せる行動は次の6つです。

犬が飼い主を信頼していない行動6つ
・名前を呼んでも反応しない
・来客や通行人に過剰に吠える
・身体を触ると嫌がる
・唸り声をあげる
・甘噛みではなく噛み付く
・散歩の時にリードを引っ張るように飼い主の前をどんどん進む

それぞれについて理由をお話していきますので、ぜひ参考にしてください。

 


2-1.名前を呼んでも反応しない

そっぽを向く犬

犬の名前を呼んだ時、信頼関係が築けている状態であればすぐに反応してくれるものです。もし、犬の名前を呼んでも反応がなかったり、写真のようにそっぽを向かれるようなことがあったら、犬が飼い主を信頼していない行動だと考えた方が良いかもしれません。

とは言え、一度名前を呼んでも反応がないことがあったからといって、すぐに「信頼されていないなんて、どうしよう!」と不安に思うことはありません。

無視されたと思ってもそばに何か気になるものがあったり、他のことに集中している場合もあるからです。そのため、名前を呼んでも反応がない場合でも、少し様子を見てみましょう。

そして、名前を呼んでも反応がないからといって、意地になって何度もしつこく名前を呼んではいけません。

犬はしつこいことが嫌いです。飼い主の焦りや不安、怒りはすぐに犬に伝わってしまいますので、あまりしつこくせずに、ゆっくりと関係を復活させていくようにしましょう。

 

2-2.来客や通行人に過剰に吠える

吠える犬

来客や通行人に対して過剰に吠えるのも、飼い主を信頼していない行動だと言えます。来客や通行人に吠えるのは自分のテリトリーを守ろうとしているためで、自分がその縄張りのリーダーだと思っている場合に取る行動です。

飼い主を信用していないので、犬は「自分が頑張って縄張りを守らなければいけない!」と思い込んでしまっているのです。

 

2-3.身体を触ると嫌がる

身体を触られているパグ

身体を触ると嫌がるのは、犬が飼い主を信頼していないサインです。犬はとても警戒心が強いので、信頼していない人には身体を触らせません。

嫌いな人や信頼していない人が身体を触ろうとすると身体を避けたり、唸り声をあげて抵抗します。特に、背中やお腹、鼻先、肉球は信頼している人にしか触らせない部分です。

 

2-4.唸り声を上げる

牙をむくシェパード

犬は言葉を話せませんので、吠え声がその時の気分を判断する材料になります。

信頼していない相手を警戒している場合は、「ワワワワワンっ!」、さらに威嚇する場合は低い声で喉の奥から「ウー、ウー」といった唸り声をあげます。身体全体が緊張しているので、すぐに分かるでしょう。

特定の時だけ唸り声をあげられるのであれば、知らないうちに犬が嫌がることをしているのかもしれません。

もし愛犬に唸り声をあげられていると気にしている場合は、どんな状況なのかを振り返り、なるべく愛犬が嫌がる状況を避けるようにしましょう。

ただ、唸り声をあげている場合でも、実は遊びの中で興奮しているケースもあります。おもちゃを咥えたまま短い唸りを何度も繰り返している、明らかに楽しく遊んでいる最中である場合は、「今は楽しさのあまり興奮しているんだな」と考えて良いでしょう。

 

2-5.甘噛みではなく噛み付く

咬みつく犬

子犬によく見られる「甘噛み」は、母犬や兄弟犬に甘える行動の一つで犬が成長する過程ではよくある行動です。

ただ、甘噛みではなく、敵意を持って噛み付いてくるようであれば、飼い主を信頼していないか、飼い主が嫌いという感情が優位になってしまっている可能性があります。

基本的に、犬は飼い主が大好きですので、噛み付くことはありません。もし噛み付かれたのであれば、何か特段嫌なことをした瞬間だと考えられます。状況を振り返ってみて、犬の気持ちに寄り添うように改善する必要があります。

 

2-6.散歩の時にリードを引っ張るように飼い主の前をどんどん進む

散歩中にリードを引っ張る犬

散歩の時にリードを引っ張って歩くのは、飼い主を信頼せず、自分の方が優位だと思っている証拠です。飼い主よりも先に歩く時、犬は自分の方が偉いと思っています。「僕が案内してあげる」「僕についておいで」と考えているのです。

犬との散歩では、犬が飼い主の横を歩くのが理想です。犬が「飼い主さんにお供します」という気持ちでいることが最も良い関係です。

飼い主よりも前に出たり、後ろを歩くのは良い信頼関係が築かれている状態とは言えません。

 


3.【診断チャート】あなたの犬は飼い主を信頼している行動をとっている?

ここまで、犬が飼い主を信頼している行動と信頼していない行動を説明してきました。その中でもお話した通り、犬の行動は一つだけでその意味を断定することはできず、複数の状況から総合的に判断することが大切です。

とは言え、たくさんの項目を頭の中で組み合わせるのは大変ですよね。

そこで、あなたが愛犬に飼い主として信頼されているかどうかを判断するために、信頼度チェックのチャートを作成しました。

このチャートを利用すれば、あなたの犬が飼い主を信頼している行動をとっているかどうかを判断することができるでしょう。普段の状況を思い浮かべてみて、ぜひ愛犬の気持ちを想像してくださいね。

犬の飼い主への信頼を診断する

犬の飼い主への信頼を診断する2

犬の飼い主への信頼を診断する3

4.犬が飼い主を信頼していない場合の原因4つ

Why?のカード

先ほどの信頼度チェックのチャートでは、愛犬の信頼度がお分かりになったでしょうか。「十分に信頼されている!」という人はこれまで通りに愛情を注いでいただき、引き続き愛犬との信頼関係を強めていきましょう。

中には、「信頼されていないかもしれない」という結果になった人もいるかもしれません。ですが、もし犬が飼い主を信頼している行動をとっていなくても、ゆっくり関係性を回復していけば大丈夫です。

犬が飼い主を信頼していない場合の原因は、主に次の4つです。

犬が飼い主を信頼していない場合の原因4つ
・叱りすぎ
・力で押さえつけたことが一度でもある
・犬と一緒に遊ばない
・犬の言いなりになっている

愛犬の信頼を取り戻すためにも、まずは飼い主を信頼していない行動をとる原因について知っておきましょう。

 

4-1.叱りすぎ

犬を叱りすぎている場合、犬は飼い主に対して萎縮してしまい、飼い主のことを信頼できません。人間でも同じですよね。何をしても叱られるようでは、その人を好きにはなれないでしょう。

当然、犬のしつけは大事ですし、しっかりしつけをした方が犬にとっても良いことではあります。ですが、もし「叱りすぎていたかも」と心当たりがある場合は、しつけと叱るのは別物だということを頭に入れ、もう一度しつけ方を見直してみると良いでしょう。

 

4-2.力で押さえつけたことが一度でもある

強気な一面を見ることがあっても、実は犬はとても恐怖心が強い動物です。そのため、犬よりも力が強い人間から押さえつけられたり痛い思いをさせられたことは、トラウマになって残ってしまいます。

トラウマになってしまうと、「飼い主=怖い人」という考えが固定されてしまい、飼い主のことを好きになれません。好きではない人を信頼することができないのは、人間も同じですよね。

一度でも力ずくで言う事を聞かせようとしたことがある人は、注意が必要です。

 


4-3.犬と一緒に遊ばない

犬は飼い主と遊ぶのが大好きです。そのため、犬と飼い主の関係性が良好に築かれている場合は、犬と遊ぶ時間をたっぷり設けている場合が多く見られます。

ですから、飼い主が遊んでくれないと犬は飼い主に愛情を感じることができません。自分に興味がないと思い込み、ましてや厳しいしつけもされている場合は、飼い主を好きだと感じる要素がなくなってしまうのは人間の私たちにも想像できますよね。

とは言え、1日中べったり犬と遊ぶのは非現実的です。飼い主も仕事をしていたり、家事で忙しかったりするでしょう。だからこそ、愛犬との遊びは「時間より質」を意識することがポイントです。例えば、帰宅後に30分だけでも良いので、「今は犬との時間」と決めてテレビを消し、たくさん遊んであげることで犬は幸せな気持ちになります。

 

4-4.犬の言いなりになっている

愛犬を可愛がり過ぎて、「厳しくしつけるのは可哀想」と言いなりになってはいませんか?

犬は元々集団で生活してきたので、主従関係を大切にする動物です。そのため、飼い主が犬の言うことを何でも許してしまうと、リーダーとしての威厳がなくなってしまいます。

そうなると、犬が飼い主を信頼できず、自分のことをリーダーだと思い始めます。いわゆる「飼い主を下に見ている」状態です。自分がリーダーなので、当然、テリトリーを守る、周囲に威厳を保など、リーダーとしての行動を取り始めるという訳です。

 

5.犬との信頼関係を築く方法6つ

ハスキー犬の子犬がハイタッチをしている

ここまで、犬が飼い主を信頼している行動と信頼していない行動について説明してきました。

もしあなたの犬が飼い主を信頼していない行動をとっていたとしても、不安になりすぎることはありません。犬との信頼関係を築くにはコツがあり、それらのポイントをゆっくり時間をかけて行っていけば、次第に犬との信頼関係を築いていくことができるでしょう。

どうしたら犬との信頼関係が築けるのかと言うと、

・飼い主といて楽しい
・飼い主といると安心
・飼い主は食事を与えてくれたり世話をしてくれる存在

この3つのポイントを押さえれば、犬は飼い主に信頼感を抱いてくれます。

では、具体的に犬との信頼関係を築くためにはどのような方法があるのかが気になりますよね。

犬との信頼関係を築く方法は次の6つです。

犬との信頼関係を築く方法6つ

・アイコンタクトをとる
・スキンシップをとる
・散歩にいく
・一緒に遊ぶ時間をとる
・厳しくしつけすぎない
・手作りご飯で愛情と楽しみをあげる

 

これらは、どれもすぐに実践できるものばかりです。6つの方法についてもう少し具体的に説明していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

5-1.アイコンタクトをとる

犬との信頼関係の築き方として、まず最初にやっておくべきなのが「アイコンタクトをとる」ということです。

犬は本来自分以外の動物と目を合わせるのが苦手ですが、相手に対して恐怖心がなく信頼関係が築けていれば、しつけの際や褒めてほしい時、遊んで欲しい時にアイコンタクトを求めてきます。「目で訴える」という訳ですね。

犬がアイコンタクトを求めてきたら、優しく見つめ返して応えてあげましょう。目と目を合わせることで信頼関係が深まり、しつけもしやすくなります。そして何より、犬は飼い主に対してより愛情を感じることでしょう。

ただ、あまり長い時間見つめ続けると、犬は「威嚇されている」と勘違いしてしまうことがあります。最初は少しの時間から始め、慣れてきたら徐々に見つめる時間をのばしていきましょう。

アイコンタクトの練習方法

①家の中などで近くにいる時、名前を呼んでみる
②振り向いたら目を見つめて褒め、おやつをあげる
③①〜②を繰り返し、慣れてきたらさまざまな状況で「名前を呼んで褒める→おやつをあげる」を繰り返す

 

5-2.スキンシップをとる

愛犬との信頼関係を深めるためには、たくさんスキンシップをとりましょう。スキンシップとは具体的に、目を見つめながら撫でてあげたり、愛犬のそばで話かけながら落ち着いた時間を過ごすことなどです。

犬はスキンシップを通して飼い主からの愛情を受けることができ、飼い主への信頼感が強まっていきます。

犬と飼い主がスキンシップに慣れていない段階なら、まずは犬が嫌がらない部分を触ってみることから始めましょう。

慣れてきたら撫でる時間を長くしていき、マッサージをしたり、ブラッシングをしてコミュニケーションをとるようにします。

スキンシップによって飼い主を信頼し始めると、犬は自分から隣に来てくつろぐ仕草を見せてくれるでしょう。

 

5-3.楽しんで散歩に行く

犬に信頼してもらうためには、飼い主自身が犬の散歩を楽しむことが大切です。

犬は散歩が大好きです。飼い主も一緒にお散歩を楽しんでる様子を感じ取ると、「この人といると楽しい!」と感じ、信頼感が高まっていくのです。

一方、1日の中で待ちに待った散歩の時間、飼い主が不機嫌そうな態度でいたら、犬も面白くありませんよね。

何より、犬は飼い主の機嫌を敏感に感じ取ってしまうので、「今日は疲れているのに、面倒だなあ」「毎日散歩するのは億劫だ」などとネガティブなことを思ってしまうと、犬には伝わってしまうので注意しましょう。

「私も散歩にいけて楽しいよ!」というワクワクした気持ちが伝われば、犬にとっても楽しい時間になるはずです。

飼い主も犬も楽しめる散歩のコツ

◎散歩コースをたまに変えてみる
◎可愛い犬服を着せてみる
◎犬友達を作る
◎カフェやパン屋など、散歩帰りの楽しみを作る(飼い主向け)

 

5-4.一緒に遊ぶ

犬は飼い主が一緒に遊んでくれるととても嬉しいものです。平日は仕事が忙しいから、帰宅が遅いからと言ってあまり犬と遊んでいない場合は、なるべく一緒に遊ぶ時間を設けましょう。

犬と遊ぶと言っても、テレビを見ながら適当にボールを投げていたり、ちょっとお腹を撫でてあとは知らんぷり…というようでは、犬は面白くありませんし、飼い主の愛情も伝わりません。

遊ぶ時はちゃんと犬に向き合うことが大切です。1日30分でも良いので、犬との時間を確保するように心がけましょう。そして、遊んでいるときは思いっきり褒めて、愛情をたっぷり与えてくださいね。

犬が喜ぶ!おすすめの飼い主との遊び3つ

「犬と遊ぶって、何をしたら良いんだろう」

そう思っている人に、犬が喜ぶおすすめの遊びを3つご紹介します。

①ボールを投げて取ってきてもらう
②固い紐やタオルの引っ張り合い
③嗅覚を使ってお菓子を見つけ出す(おやつを隠して探し出す)

どれも簡単で今日からすぐに実践できる遊びです。犬を楽しませるために、次の3つのポイントを守って行いましょう。

・できなくても決して叱らない
・できたら褒める
・引っ張り合いなどの「勝負ごと」は、飼い主が時々負けてあげる

飼い主と一緒に遊んで楽しい気持ちになることで、犬は飼い主が大好きになり、信頼できる存在だと認めてくれるようになります。

 

5-5.厳しくしつけすぎない

前にもお話した通り、厳しいしつけは犬との信頼関係を希薄にしてしまう可能性が高いので気をつけましょう。しつけはもちろん大切ですが、お利口さんの犬になるよりも、飼い主との信頼関係を築くことが何よりも重要です。

しつけをするときは、

・他の犬と比べない
・できなくても落ち込まない、叱らない
・いつかできると気長に構える
・できなくてもいい、と良い意味で諦めの気持ちを持っておく

このような心構えが大切です。

犬は家族です。そして、犬も人間と同じで個性があり、みんな同じように同じことができるわけではありません。そのことを念頭にしつけを行い、厳しくなりすぎないように気をつけることが大切です。

 

5-6.手作りご飯で愛情と楽しみをあげる

犬が飼い主を信頼するポイントの一つに、「食事をくれる人」という点があります。そのことからもお分かりの通り、犬にとって食事は非常に大切なものなのです。

すでに犬を飼っている人なら、「ご飯だよ!」と言って、目を輝かせて近くに寄ってくる犬の様子は想像がつきますよね。犬が、ご飯やおやつをくれる人にすぐなつくのもお分かりかと思います。

今与えている市販のドッグフードをあげ続けても良いのですが、たまに手作りご飯に変えてみると、犬にとって食事がより楽しみなものになり、飼い主への信頼感も増していくでしょう。

何より、飼い主が手をかけて作ったあたたかいご飯は、愛情もたっぷりで、美味しさが2倍にも3倍にもなるのです。

ただ、犬に手作りご飯をあげる際は素材や調理法に注意が必要です。

人間にとって美味しいものでも、犬にとっては身体に害があり与えてはいけない食べ物があります。

例えば、犬に与えてはいけない食べ物の代表的なものは、次の5つです。

・タマネギ
・ネギ
・ぶどう
・チョコレート
・塩分、脂質の多いもの

これらの食べ物は、犬の身体の大きさや体調によっては、少量でも命の危険を脅かす場合があるので細心の注意を払うことが必要です。

また、犬に手作りご飯を食べさせる場合は、消化不良や誤飲を避けるために、加熱して冷ましたものをあげることもポイントです。

このように、犬に手作りご飯をあげる際は注意点がいくつかあるため、自己流ではなくプロの知識を活用すると良いでしょう。

犬の手作りご飯を専門としたレシピ共有サイト「わんシェフ」では、犬の手作りご飯のレシピを多数掲載しています。

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そうお考えの人は、ぜひ手作りご飯のレシピを参考にしてみてください。

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6.まとめ

いかがでしたか?犬が飼い主を信頼している行動と信頼していない行動、信頼されるために必要なことなどをお話ししてきました。

最後にこの記事をまとめると、

◎犬が飼い主を信頼している行動は9つ

・お腹を見せる
・顔を舐める
・笑顔で見つめる
・しっぽを振る
・体をじっと触らせる
・飼い主の側で寝たがる
・お尻をくっつけてくる
・夢中になって餌を食べる
・遊んでいる時に吠える
・一匹でも落ち着いて過ごしている

◎犬が飼い主を信頼していない行動は6つ

・名前を呼んでも反応しない
・インターホンや外を通る犬や人、外界の刺激に過剰に吠える
・散歩の時にリードを引っ張るように飼い主の前をどんどん進む
・身体を触ると嫌がる
・唸り声をあげる
・甘噛みではなく噛み付く

◎犬が飼い主を信頼しない原因は4つ

・叱りすぎ
・力で押さえつけたことが一度でもある
・一緒に遊ばない
・犬の言いなりになっている

◎犬との信頼関係を築く方法6つ

・アイコンタクトをとる
・スキンシップをとる
・散歩にいく
・一緒に遊ぶ時間をとる
・厳しくしつけすぎない
・手作りご飯で愛情と楽しみをあげる

以上になります。犬は基本的には、お世話をしてくれて遊んでくれる飼い主のことが大好きです。飼い主を信頼している行動を見逃さず、犬からの愛情をたくさん感じてくださいね。

もし信頼されていない行動が見られる場合は、今日からでも遅くありません。犬との信頼関係を築く方法を参考に、愛犬との信頼関係を深めていきましょう。

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