子犬を飼い始めると、お散歩デビューが待ち遠しいですよね。毎日のお散歩は、愛犬の健康やストレス解消のためにもとても大切です。
しかし、子犬は迎えてすぐにお散歩に連れ出していいわけではありません。お散歩デビューするためには、ワクチン接種や、首輪・リードに慣らすなど、やるべきことがあります。
この記事では、子犬のお散歩デビューのタイミングや、初めてのお散歩に向けて飼い主さんが気をつけること、愛犬をお散歩好きにするためのポイントについて紹介します。
子犬にワクチン接種が必要なのはなぜ?
子犬にワクチン接種が必要な理由は、免疫力を高めて感染症にかかりにくくするためです。
生まれてすぐの子犬は、母乳を飲むことで母犬から免疫を吸収しています。母犬からもらった免疫は生後1ヵ月半~3ヵ月ほどで低下していくため、感染症などの病気にかかるリスクが出てくるのです。
そのため、お散歩デビューの前にはワクチンを接種し、感染症を予防する必要があります。
子犬のワクチン接種回数とタイミング
子犬には3回の混合ワクチン接種が推奨されています。また、義務化されている年に一度の狂犬病ワクチンの接種も必要です。
子犬のワクチン接種スケジュールの目安は次のとおりです。
・生後6~8週以降 混合ワクチン1回目
・生後11週以降 混合ワクチン2回目
・生後14週以降 混合ワクチン3回目
・生後91日以降 狂犬病ワクチン
ワクチン接種のタイミングは獣医さんと相談し、それぞれ2~3週間の間隔を空けて受けるようにしましょう。
いつからお散歩に連れて行っていいの?
子犬のお散歩デビューは、最後のワクチンを接種してから2~3週間後にしましょう。ワクチン接種をしてからしばらくの間は、まだ免疫が安定していないからです。
また、ワクチン接種後に顔が腫れたり、元気がなくなったりする副作用が見られることもあります。ワクチン接種当日は安静にさせ、愛犬の様子に変化がないかよく観察するようにしましょう。
なお、ワクチンを受けるタイミングは、子犬にとっての社会化期でもあります。
社会化期とは生後3週から12~16週までのことを言い、子犬が人や他の犬・動物、車・電車の音など、その他あらゆる刺激に慣れるのに適した期間です。この時期に外からの刺激に慣れ社会化ができている犬は、精神的に安定すると言われています。
ワクチン接種が終わるまでは、抱っこやキャリーケース・カートに入れて地面を歩かせないようにして外に連れて行き、環境に慣れさせるようにしましょう。
子犬のお散歩デビュー前にやっておきたいこと
子犬の初めてのお散歩前に、飼い主さんが準備することは何でしょうか。お散歩グッズを用意するだけではなく、各種登録や、おうちの中でのお散歩練習をすることも大切です。
ここでは、愛犬のお散歩デビューに向けて飼い主さんがやっておきたいことについて紹介します。
鑑札と注射済票の入手
生後91日以降の子犬を迎えたら、お住まいの市区町村で愛犬の登録をし、登録番号の記載された鑑札を受け取ります。また、注射済票は狂犬病ワクチンを接種すると発行されます。鑑札と注射済票は愛犬の首輪などに装着しておきましょう。
なお、ドッグランなどの施設を利用する際は、混合ワクチン接種証明書と一緒に鑑札や注射済票の提示を求められることもあるので覚えておきましょう。
マイクロチップ情報の登録
マイクロチップ情報の登録も忘れずに行いましょう。
マイクロチップとは、犬や猫の皮下に装着する電子機器のことです。ペットが迷子になった時に、専用の機器を使って、登録された飼い主さんの名前や連絡先を調べることができます。
2022年6月より、犬や猫のマイクロチップ装着が義務化されました。ペットショップからマイクロチップの登録証明書を受け取ったら、飼い主さんは登録情報の変更手続きを行いましょう。手続きはオンラインで可能です。
お散歩グッズの用意
首輪やハーネス、リード、迷子札、うんち袋、レインコートなど、お散歩グッズを用意しておきましょう。
首輪やハーネスは、愛犬の体に合うサイズを選びましょう。体格によっては首輪やハーネスが抜けやすいこともあります。脱走して行方不明になったり、事故にあったりする危険性があるため、サイズ選びは慎重に行いましょう。
飼い主さんの連絡先を記載した迷子札を、首輪やハーネスに付けておくことも大切です。
首輪やハーネスに慣らす
初めてのお散歩に連れて行くまでに、体に首輪やハーネスを付けることに慣らしておきましょう。
初めて首輪やハーネスを付ける時は、体に違和感を覚えて子犬が嫌がる、または怖がるような素振りを見せるかもしれません。このような場合の慣らし方としては、おとなしく付けられたらオヤツをあげて褒める方法があります。
リードを付けて歩く練習をする
おうちの中でリードを付けて、飼い主さんの隣を歩く練習をしておきましょう。子犬は好奇心旺盛な傾向にあるため、初めて外で見るものに興奮しやすく、突然走り出して事故につながる危険があるからです。
また、子犬はリードをオモチャだと勘違いするのか、かじってしまうこともあります。リードをかじってはいけないことや、飼い主さんのペースに合わせて歩くことを、ご褒美のオヤツを使いながら教えてあげましょう。
子犬は物事に飽きたようなふるまいを見せやすく、上手に歩けるようになるまで時間がかかるかもしれません。短時間の練習を焦らず繰り返すようにしましょう。
子犬をお散歩好きにするためのポイント
犬はみんなお散歩が好きだ、と思っている人は多いですが、犬によっては何らかの理由によりお散歩が嫌い、怖い、という場合もあります。できることなら、愛犬と一緒にお散歩を楽しみたいですよね。
また、子犬の健康管理のためにも、お散歩で適度な運動をさせることはとても大切です。
ここでは、子犬をお散歩好きにするためのポイントについて紹介します。
少しずつお散歩に慣らす
お散歩デビューしたばかりの子犬を外に連れて行く時は、短い時間、距離から始めて、少しずつ慣らしていくようにしましょう。外に慣れないうちに大きな音など強い刺激を受けると、お散歩は怖いものだ、という印象を植え付けてしまう恐れがあるからです。
最初は家の周りなど近くを歩くことから始め、怖がるような素振りを見せたら引き返すなど、子犬のペースに合わせて無理をしないようにしましょう。
お散歩コースを変える
子犬がお散歩に慣れてきたように感じられたら、いつもと違うコースも歩いてみましょう。
新しい場所のニオイをかいだり、初めての人や犬に出会えたりなど、子犬にとって新鮮なお散歩となることでしょう。いつもの道を歩くと怖がるようなしぐさを見せるようになってしまった時も、お散歩コースを変えるのは効果的です。
普段とは違う場所へ出かけていくことで、飼い主さんもリフレッシュできるでしょう。
お気に入りのオヤツやオモチャを持って行く
お気に入りのオヤツやオモチャを持ってお散歩に行くのもいいでしょう。
お散歩に行ったらオヤツがもらえる、オモチャで遊んでもらえる、という関係づけを子犬へ試みることで、お散歩へ出かける際嫌がるような素振りを見せることが少なくなるかもしれません。
ただ歩くだけでなく、こうしたトレーニングを取り入れれば子犬にとっても刺激となり、短時間で充実したお散歩ができるでしょう。
まとめ
子犬のお散歩デビューは、最後のワクチンを接種してから2~3週間後にしましょう。社会化期には、キャリーケースなどを使って直接地面を歩かせないように気をつけながら子犬を外に連れて行ってあげるのもおすすめです。
また、初めてのお散歩に行くまでに、首輪やハーネス、リードに子犬を慣らし、おうちの中でお散歩練習をするなどの準備もしておきましょう。
お散歩デビューしたら少しずつ子犬を外に慣らし、飼い主さんも愛犬と一緒にお散歩を楽しんでください。