こんな相談にお答えします。
この記事は私、コタローが書いています
本記事の内容
- 犬がご飯を食べないときのチェックポイントと対策
- 「ご飯を食べないときにどうしたらいいか」のまとめと普段からやっておきたいこと
どこも体調が悪くなくてもご飯をあまり食べない子もいるし、多少調子が悪くてもばくばく食べる子もいます。単に「ドッグフードが飽きた」だったり「ドッグフードが傷んでいる」なんて理由も少なくないわけです。
ただし、”急な食欲不振”だとしたら、何かしらの病気とセットでも起きている可能性もあるので気を配った方がいいです。
結論としては、
・丸2日ご飯を食べないならば、病院に連れていった方がいい
・食欲不振に加えて、異常(下痢や嘔吐、極度に元気がない、など)がある場合は丸2日を待たずに病院に連れていった方がいい
と考えています。
原因と対処法について整理しましたので、記事をご覧ください。
犬がご飯を食べないときのチェックポイント”⓪~④”
ご飯を食べない原因は、大きく分けると「体調に異常あり(病気等)」、「ストレスで食べる気にならない」、「美味しくないから食べたくない」、「その他(高齢化、今お腹いっぱい、など)」のいずれかです。
下記にて、チェックすべきポイントごとに解説します。
愛犬がご飯を食べなくなった時のチェックポイント
- チェック⓪:食べなくなったのは”急に“かどうか
- チェック①:食欲不振以外に明らかな体調の異常があるかどうか
- チェック②:食欲不振以外に(以前と比べて)異変があるかどうか
- チェック③:犬の心理に影響を与える変化があったかどうか
- チェック④:他のもの(おかしなど)は食べるかどうか
チェック⓪:食べなくなったのは”急に“かどうか
急に食べなくなったのか、徐々に食べなくなったのか、先ずは思い起こしてください。このポイントは原因を特定できるわけではありませんが、原因を探りやすくなります。
もしも、愛犬が“急に”ご飯を食べなくなったのなら、“急な変化”があったであろう想像ができます。
その“変化”に目を向けるようにしましょう。
(その場合、判断ポイント②以降で該当する“変化”が見つけやすくなります)
チェック①:食欲不振以外に明らかな体調の異常があるかどうか
体調面の異常とは具体的に以下のようなものを指します。
「食べない」に加えて以下のような異常はないでしょうか。
・嘔吐
・下痢や血便
・水を飲まない
・どこかを痛がる
・元気がない/ぐったりしている
これらがある場合は、もしかすると「何かしらかの病気や感染症等を患っている」「何かの誤飲をしている」可能性があるので、先ず気を配りたいポイントとなります。
<対策>
「ご飯を食べない」だけでなく、これらの異常とセットの場合は病院に行きましょう。早めに病院への相談し、結果としてたいしたことがなければ“良かった”でいいと思います。
(嘔吐物や排泄物の色や状態を観察/撮影しておくと、診察時に役立つことがあります)
嘔吐や下痢に関しては、1~2食ご飯を絶食して胃腸を休めることで回復するケースもあります。
私自身、食欲不振の症状がなく、単に下痢もしくは嘔吐の症状がある場合は、1~2食ご飯を抜いて胃腸を休ませて、その後、ご飯はスープだけをあげ、続いて消化の良い煮込んだご飯とあげてお腹を慣れさせて治してしまうことが多いです。
<コタローの体験例>
ただし、こんなことがありました。うちの子(愛犬)が夜中に嘔吐と下痢をしており、「あれ?」と思って、とりあえず翌朝から消化をかなり良くしたスープご飯をあげました。
その夜も嘔吐と下痢をし、元気もなくなってきたので、翌朝に病院に連れていったところ「安静にして様子を見てください。悪くなるようだったらすぐもう一度連れてきてください。」でした。
帰宅後は、消化がすごく良いご飯をあげて様子を見ようとしましたが、やはり食べず、どうも改善している気がせず、悪くなっているようにも見えたので、翌日再度病院に連れていきました。
結果、“細菌性腸炎”で入院することとなりました。
獣医師の話では、
・昨日の診察の段階から、(細菌を抑える方向に向かわず)細菌が増殖したのだろう
・おそらく散歩中などに何か舐めてしまったのではないか
でした。
その子は、全く拾い食いしないように育っているのですが、そうであっても散歩中に野草を舐めたり、何かの匂いを嗅いだりする過程でちょっと舐めたりすることはあります。
その舐めてしまうものには、他の犬や動物から排泄された細菌が付いていることがあるのです。またこの例とは異なりますが薬剤が付着していることもあります。
結局4日間ほど入院をして元気になりましたが、あのまま病院に連れていかなければ、(4日入院も軽症ではないですが)もっと重篤になったであろうと予想されます。
実は、ちょうど旅行に行く予定と重なっていたのですが、もちろんキャンセル。ですがなにより回復してくれてよかったです。
チェック②:食欲不振以外に(以前と比べて)異変があるかどうか
チェックポイント①の異常は比較的“急に”現れる異常でした。
もしそれが見当たらない場合も、もう少し探ってみてください。
例えば、以前と比べて以下のような傾向はないでしょうか?
・口の中をチェックし、「口臭がきつくなった」、「歯がぐらついている」や「歯茎が腫れている/炎症」
<対策>
これは、歯周病や歯肉炎など、口内トラブルを疑う異常です。
例えば、歯がグラグラしている状態だと歯が痛い状態ですので、ご飯を食べれなくなったり、食べるのがゆっくりになります。その他にも口の中が痛いと食べることに支障が出てきます。
特に歯周病は他の病気にも発展する怖い病気です。
①ほど一刻を争うわけではないですが、早めに病院で診てもらうようにしてください。
・呼吸が苦しそう(ゼィゼィ、ヒューヒュー、など)、いびきがすごい
<対策>
犬は、喘息などで鼻がきかなくなると食欲が減退することがあります。
呼吸器疾患の可能性があるので、こちらも病院に相談することになります。
<コタローの体験例>
過去の話ですが、うちの子(高齢犬:9歳のとき)がご飯を食べないわけじゃないけど、以前のようにガツガツ食べず、ずいぶん食べるのに時間がかかるようになったなぁ、と感じるときがありました。ご飯があまり好きじゃなくなったのかな?年を取ったからかな?などと気にしていました。そういえば老け込んできたよな、と。
ただ、歯磨きをしているときに気づくことがありました。そういえばちょっと口臭が前よりきつくなったかなぁ、歳かなぁと思いはじめた頃だったのですが、前歯がグラグラしていることに気づきました。
恥ずかしながら、うちの子が歯磨きの際に前歯を磨くのを嫌がるので、前歯は何となくちょっと歯ブラシが触る程度しか磨かなくなっていました。獣医の先生から、うちの子は“どうも歯石が付きやすいタイプのようだ”と言われていたのに迂闊でした。
病院に連れていき相談するとグラグラしている前歯の数本が歯槽膿漏。根が深い犬歯や奥歯は問題なかったのですが、前歯がグラついているので食べる際にも痛んでいるだろうとのことでした。グラついている前歯は抜歯することになりました。
抜歯後の愛犬は食べる意欲が復活しただけでなく、若返ったように元気になりました。びっくりするくらいです。急に歯がぐらついたわけではなく、ちょっとずつ悪くなったはずです。いつから辛かったんだろうと思うと可哀想に思う気持ちと、解放してあげれたことでホッとする気持ちに包まれました。
この経験は、別途、歯磨きの重要性としてもお話したいところです。
チェック③:犬の心理に影響を与える変化があったかどうか
最近、精神的ストレスを犬が感じるような変化がなかったでしょうか。
・引越しや改装など住環境が変化した(アロマを始めた!、なども含みます)
・家族、同居人(犬)が増えた(人や犬が訪問してきた、も含みます)
・飼主が忙しくて余りかまってあげられていない(犬が寂しさを感じている)
・最近、ひどく怒られた(犬がしょげている)
などです。
精神的ストレスからも犬は食欲がなくなります。(このケースは結構多い!)
私が今まで飼ってきた犬の中にも、怒られた後はご飯を残してしまう子もいました。
<対策>
このチェックポイント③が当てはまりそうに感じる場合は、「ストレスをどうやって緩和できるか」になるので、叱って無理やり食べさせたりするようなストレスが増すようなことはNGです。
除いてあげられるストレスは除いてあげることがいいです。ただ、そうもいかないもの(引越しなど)もあると思います。
私は、基本的には飼主さんがコミュニケーションを増やすことによる「安心させてあげる」で解決することが大半と思っています。例えば、叱った後は叱りっぱなしではなく、慰めて安心させてあげるようにしましょう。
チェック④:他のもの(おかしなど)は食べるかどうか
愛犬が「今、目の前のご飯が食べる気がしない」に該当するわけですが、いくつかパターンがあります。以下をチェックしてください。
・(高齢犬の場合)柔らかいものは食べる/香りのよいものは食べる
高齢犬になると、代謝が減少するし消化機能も低下するので、徐々に食事量が減っていくことはおかしなことではありません。
ただ、加齢にともなり、歯が弱くなって固いものを食べ辛くなる、嗅覚/味覚が衰えて食欲がわかなくなる、っていうこともあります。食べれるはずのご飯を食べれないことで痩せていってしまうことは良くないですよね。
<対策>
もしもドライフードをあげているようであれば、お湯や出汁でふやかしてあげることで、柔らかくなりますし、香りを際立たせてあげることで食ベやすくなります。
もちろん、手作りご飯で柔らかくて香り豊かなご飯をつくってあげることも愛犬にやさしくて有効な手段です。
また、フードで高齢犬に取って食べやすい手作りに近いものもでていますので、なかなか手作りであげる時間がない場合はお試しいただくと良いと思います。
・お菓子は食べるけどフード(ご飯)は食べない(フードが古め)
フードが古くなると食べないことがあります。保管状況にもよりますが、賞味期限内だとしても、酸化してしまって匂いが変わってしまうことがあります。鼻の利く犬としては、傷んでいれば気づきますし、それが気になれば食べなくなってしまいます。
<対策>
賞味期限をチェックすると共に、匂いを気にするようにしてください。対策としては、「新しい(賞味期限がたっぷりある)フードに変えてみる」です。
また、手作りご飯の場合は、もちろんフードよりもずっと足が早いので、傷む前にあげて頂かねばなりません。
・お菓子は食べるけどフード(ご飯)は食べない(フードは新しい)
ここまでのチェックポイントのどれにも当てはまらない場合、「今のフードに飽きた(もっと美味しいものを期待)」などの可能性が高いと思います。
また、「フードの種類を変えたばかり」の場合は警戒心から食べないことがあります。
フードを食べないから、その度にトッピングをしてあげたり、代わりのおやつをあげると、犬は「食べずに待っていると、もっと美味しいものがでてくる」と学びます。
以下の対策Aまたは対策B(もしくはAB併用)をお試しください。
<対策A>
病気等でない、元気な場合は1日や2日ご飯を食べなくても問題はありません。お腹がすけば食べるので、取り合わないという方法です。
具体的には、無理に食べさせようとせずに、1時間待って食べなければ食器ごと片付けてしまうのです。(ドライフードであれば、ちょっとお湯をかけてふやかし、香りを立たせてあげるくらいはしてあげてOKです)
この方法で、もし丸2日間、全く食べない場合は別の理由(チェックポイント④以外)の疑いがあります。病院につれて行き相談をした方が良いです。
<対策B>
この対策Bの考え方は「毎日、別に同じフードを食べなくても良い」という考え方です。
「いつも同じものばかりでは飽きてしまう」のは、人間と同様に考えるならば、ある意味当たり前です。
日頃からいくつかの種類のフードをローテーションさせたり、トッピングを加えたりして、日常的に変化をつけることも一つの方法です。
また手作りでご飯をあげることは、かなり有力な方法です。何の食材をつかってどんなご飯を作るのか、でご飯が変わります。作る度にご飯が変わることになります。
栄養バランスの良いご飯をあげることが目的なので、多少の手間等がかかること以外に問題はありません。
ただし、この時もご飯によっては食べないことがあるかもしれません。その時は対策Aと同じように1時間ほどしたら食器ごとさげてしまいます。その回のご飯は終わりです。
やってはいけないことは、食べないからといって「その場で代わりのものをあげること」です。ご飯の度に選り好みをするようになってしまう可能性があります。(特に栄養バランスの良くないおやつを代わりにあげることはよくありません)
食べないのであれば、1回ご飯を抜くことになります。もしも、次のご飯も食べず、その次も食べず、、、が続いて2日間、全く食べない場合は別の理由の疑いがあります。病院につれて行き相談をして頂くことになります。
<コタローの体験例>
私は10年ほど前から手作りでご飯をあげるようになりました。それより前は、飼っていた愛犬にドッグフードをあげて育てていました。多くの方が経験されているように、ドッグフードで育ててきた子たちは、“元気(健康)なようだけど”フードを食べなくなる時や、あまりフードを食べなくなる/残しがちになる時がかなりありました。やっぱりバクバク食べてほしくて、ウエットフードを混ぜてみたり、お湯や出汁をかけてみたりしましたね。
手作りご飯をあげるようになってからは、今のところ、ほぼ食べなくなるってことがないですね。フードの時とは比べものにならないです。
もちろん、病気や健康を害している時は食べないことがあります。なので、わかりやすく「あれ?おかしいな。」と気づきます。ちょっとぐらい体調が悪くても普通に食べていることも多そうですが。歯がグラグラして食べる速度が落ちたときも、食べる時間はかかっても完食していました。
いわゆる「飽きて食べなくなる」っていうのがないことも、手作りご飯のいいところの一つと思いますね。
犬がご飯を食べないときの対処法のまとめ
食べなくなったのが“急に”だったらわかりやすい変化がなかったかどうか、“急にではない”場合は、ちょっと前からの変化を思い起こしつつ、
以下の①⇒②⇒③⇒④の順に探っていくことがまとめとなります。
①食欲不振以外に明らかな体調の異常がある
・嘔吐
・下痢や血便
・水を飲まない
・どこかを痛がる
・元気がない/ぐったりしている
⇒すぐ病院に行く
②食欲不振に加えて「以前と比べて異変があるかも」と思う
・口の中をチェックし、「口臭がきつくなった」、「歯がぐらついている」、「歯茎が腫れている/炎症」などを感じる
・「呼吸が苦しそう」「いびきがすごい」などの傾向がある
⇒一刻を争うわけではないけど、早めに病院に行く
③犬の心理に影響を与える変化があったと思う
・引越しや改装など住環境が変化(アロマ始めた、なども含む)
・家族、同居人(犬)が増えた(人や犬が訪問してきた、も含みます)
・飼主が忙しくて余りかまってあげられていない(犬が寂しさを感じている)
・最近、ひどく怒られた(犬がしょげている)
⇒もしも、取り除ける環境変化があるのなら、取り除いてみる
⇒飼主さんが愛犬とコミュニケーションを増やしてあげる、
いっぱい触れ合ってあげる、ことで「安心させてあげる」
④ご飯以外のもの(お菓子や好きなもの)は食べる
・高齢犬の場合(柔らかいものや、香りのよいものは食べる)
⇒ドライフードは、お湯や出汁でふやかしてあげる
⇒手作りご飯や手作り風フードに切り替えてあげる
・フードが古め/傷んでいる
⇒新しいフードに変えてあげる
・特にフードは古くない、高齢犬でもない
⇒(対策A)無理に食べさせようとせずに、1時間待って食べなければ食器ごと片付けてしまう。もし2日間食べない状態が続くようであれば病院に行って診察を受けてみる。
⇒(対策B)日頃からいくつかの種類のフードをローテーションさせたり、トッピングを加えたりし、日常的に変化をつける。それでも食べないときは「対策A」に。
普段からやっておきたいこと
私は、「飽きて食べなくなる」(チェックポイント④の後半)が起きないような工夫をしておくことが大事だと考えています。
愛犬がご飯を食べなくなると不安です。「どこか悪いんじゃないか?」と思います。しかし、「飽きて食べない」の起きない状態になっているならば、(食欲不振によって)「異変に気づくことができる」のです。
そのためにも「またフードに飽きちゃったから食べないんだろう」とならないようにしておくことが重要なのです。
犬だって同じご飯ばかりでは飽きるのが当然。そう思っています。
ですので、
日常的にいくつかの種類のフードをローテーションさせたり、トッピングを加えたりする
手作りご飯をあげる(もしくは手作りご飯とフードを組み合わせる)
がおすすめです。
まとめ
今回は、愛犬がご飯を食べてくれなくなった時に思い出してほしいことを紹介いたしました。
心配になることがあると思いますが、
・2日間ご飯を食べないならば、病院に連れていった方がいい
・食欲不振に加えて、異常(下痢や嘔吐、極度に元気がない、など)がある場合は2日を待たずに病院に連れていった方がいい
は変わりません。
また、手作りご飯をあげたり、複数のフードやトッピングを日頃からローテーションすることで「飽きて食べない」を避けることができます。「飽きて食べない」がなければ、愛犬の異変にいち早く気付くことができます。
今回は、ここで失礼いたします。
※老犬の食欲不振について詳しく知りたい方は、「【どうする?をシンプルに】ご飯を食べない老犬 -犬が高齢になったら-」の記事もご参照ください。